本日は、アメリカ版確定申告、Tax returnを自分でやってみましたのでその体験談をシェアできればと思います!
私のVISAステータスはJ1(リサーチスカラーいわゆるポスドク)で、妻はJ2の就労許可なしです。昨年の春に引っ越してきたので初の申告です。
私自身あまり税金関係をよく知っている訳ではなくて、Tax returnの時期が来るのが憂鬱でした。日本の確定申告でさえ不慣れな始末。
どんな書類を揃えるのか、家族の分の書類も必要なのか、書類作成は電子申請なのか紙で郵送なのか、など分からない事だらけ。
備忘録的に、申告する時期、必要書類、書類作成の方法やそれにかかった時間や費用について書いていきますので、ひとつのケースとして参考にして頂けると嬉しいです!
還付金が返ってくるまでの期間や提出書類の状況確認の方法についても追記しました!
* あくまで私たちが経験したケースだということをご了承ください!例えば、私たちはFBAR(海外の資産申告)の対象外だったので今回は行っていませんが、J1でも滞在年数によれば必要な方はいらっしゃるかもしれません。不明な点があれば大学の国際課など然るべき部署に相談されることをお勧めします。
申告時期
私は2022年の春にJ1 Visaで渡米して来て、今回が初めてのTax returnでした。
1月中ごろに日本で言う源泉徴収票みたいなのが送られて来ました。この書類はW-2というもので、これが届けば申告が可能です。
2023年は4月18日が申告の締め切りです。PCで書類作成をしても郵送が必要なので、余裕を持って書類作成に取りかかりたいですね。
Tax returnは誰がやらないといけないの?
日本では副業をされていない方は確定申告をしていないかもしれませんが、アメリカでは給与を得ている全員がTax returnを申告する必要があるそうです。
私はJ1 Visaで大学で研究者として働いているので、申告の必要がありました。
妻はJ2 Visaで働いていないのでTax returnは不要ですが、後述する書類の提出は必要みたいです。
J Visaの人が出さないといけない書類
収入がある人
連邦税に関する書類
- Form 1040 NR
- Form 8843
- W-2
州税に関する書類
- IT-40PNR
- W-2
収入がない人
- Form 8843
収入がなくてもVISAでアメリカに滞在している以上はForm 8843の提出は必要のようです。子どもの分も必要だそうなので、家族全員分が必要ということですね。
私たちはこれを調べた時点で既に拒否反応が出てしまいました。書類はどこで貰えるの?どうやって書くの?などハテナだらけ。
そもそも税金って何を払っているの?
毎月、給与からfederal tax (国への税金)とstate tax (州への税金)が天引きされて行きます。
J1 Visaの場合は租税条約の関係で渡米後2年は非課税ということらしいのですが、給与明細を見たら国と州合わせて毎月20%くらい引かれていました。
一部の社会保障関係は非課税のようですが、J1 Visaの初年度だからと言っても全ての税金が非課税という訳ではないようです(皆さんはいかがですか?)。州によっても引かれる割合は変わって来ると思います。
ある程度は給与から引かれることを渡米前に心づもりはしておきましょう。思ったより手取りが少ない、なんてことになりかねませんからね。
とりあえず、もし税金を払い過ぎていたらTax returnで戻って来るはずですから、そう言った意味でもTax returnは重要なイベントという事です。
Tax returnのやり方
私たちは、Sprintaxというサービスを利用しました。
理由は大学が提携していて一部の利用料が無料になるからです。
逆に言うと、書類作成をPCで便利に行えるサービスを利用するとお金がかかるということですね。日本のe-Taxとは違う部分です。
私は、もし提出した書類が戻って来てしまった時に対応を代行しますよ、というオプションに日和って加入してしまったので全部で60ドルほど必要でした。
全て自前でやってしまう方法も当然あると思うのですが、私たちは探し切れませんでした。
国への書類は無料になりましたが、州への書類作成には料金が必要でした。州への書類は頑張れば自作出来るそうですが、分からなさすぎたのでお金に頼ってしまいました。
他には、Turbo Taxというサービスを利用している日本人も周りには多かったです。
必要書類
- W-2
- パスポート
- VISA
- DS2019
- I-94
W-2以外はスキャンの必要はありませんでしたが、情報を入れていく上で必要なので手元に準備しておきましょう。
Form 8843の作成にはパスポートがあれば大丈夫です。
書類作成にかかった時間
2時間ぐらいはPCの前で格闘していました。
入力は簡単にできるように工夫されていますが、何せ英語ですしひとつひとつ確認しながらなので時間がかかりました。
とは言え、何を入力すればいいのかわからない!といったことはほとんどありませんでしたので、流れに従って入力していけば大丈夫だと思います。
SprintaxではJ1 VisaのForm 1040NRと8843、IT-40PNRを作成することができました。
J2 VisaのForm 8843は大学の国際課websiteからダウンロードして作成しました。Sprintaxで作成したJ1 VisaのForm 8843を参考に記入すれば難しくなかったです。
J1 Visaは渡米後2年は税法上は非居住者になるみたいで、家族を扶養に入れる、ということはできませんでした。居住者となって扶養に入れたい場合は、家族のTINという番号を取得して申告する必要があるそうです。
入力が終われば還付金の見積もりが出ます。恐らくですがJ1の初年度で追加課税は無いんじゃないかなと思います。
書類の提出方法
書類は電子媒体での提出は出来なくて、プリントアウトしたものにサインをし、W-2を同封して郵送する必要がありました。家族のForm 8843は切手代節約のために同封してみました。
国と州で郵送先が違うのでご注意ください!
還付金の受け取り方
Sprintaxの場合は最後に受け取り方を選択できました。
銀行への振込や小切手で受け取る、などがありましたね。
もし追加で支払う必要がある場合は、小切手やデビット・クレジットカードが使用できるようです。
還付金は書類が担当部署に到着してから3週間後くらいに受け取れるらしいです。小切手よりは振込が早いそうですね。また、締め切り間際は混雑して時間がかかるようです。還付金を少しでも早く受け取りたい場合はW-2が届いてすぐに取り掛かるのが良さそうです。
また還付金を受け取ったら、かかった時間などもシェアできればと思います。
ちなみに日本の確定申告は?
退職してアメリカに来た場合でも、もし退職するまでの所得やその他所得などが日本にある場合は日本の確定申告も必要です。
マイナンバーを利用したe-Taxは外国からは使えませんので、日本出国前に納税管理人を親や税理士さんにする手続きをしておきましょう。そして時期が来れば代理で申告をしてもらいましょう。
納税管理人の届出書という書類を1枚税務署に出せば大丈夫ですよ。
アメリカのTax returnで日本での所得や財産を聞かれることはありませんでした。これはおそらく私がJ1 Visaでの渡航2年以内で非居住者扱いだからだと思います。
追記:提出書類の処理状況確認と還付金が返ってくるまで
記事作成後にさらに情報を深掘りした結果、還付金の受け取りまでは最短でも3週間必要で、一般的には6週間程度かかるようです。
書類がきちんと届いて処理が行われているかどうかが不安な方は、IRSのwebsiteから現状確認ができるようなので先日試してみました。
SSNと書類作成時に入力したmarried status、受け取る予定の還付金の金額がログインするのに必要です。私の場合、Married statusは自分の書類と一致するものがなかったのでMarried-filling separate returnを選びました。
3月始めに書類を提出してから2週間くらいは必要情報を入力してログインしても、あなたの情報はありません、となるばかり。いよいよ電話でもしようかと不安になってきたところ、先日再度ログインしてみると状況を確認することができました。
書類を送った日からwebsiteで状況を確認できるようになるまでには2〜3週間は必要のようです。W-2が届いてすぐに書類を作成して送ればもっと早いかもしれません。
ちなみに、このシステムではfederal taxの還付金のみ確認ができます。
で、実際の還付金ですが、郵送してから5週間後に指定していた銀行口座に振り込まれていました!金額は書類を提出した際の見積と同じ額でした。
追記:2年目のTax Return
2年目のTax ReturnにもSprintaxを利用しました。
初めての時にアカウントを作成していたので、住所やSSN等の情報が保存されていて入力はかなり楽でした。
ご自身やご家族の仕事やVisaに変更がなければ2年目のTax Returnはかなり楽だと思います。
ただ、還付金の金額は1年目よりかなり低かったです。
まとめ
いかがでしたか?
かなり最低限の情報だとは思いますが、私たちが調べたり経験した内容をまとめました!
要約するとこんな感じかなと思います。
J1 Visa渡米2年以内のケース
- J1 Visaの渡米2年以内でもある程度の税金は給与から引かれる
- 4月中旬までにタックスリターンが必要
- 日本の所得はアメリカではなく日本に確定申告
- 収入がないJ2 dependでもfederalへForm 8843を提出する必要あり
- Sprintaxなどのサービスを利用すればお金はかかるが書類作成はスムーズ
- 作成した書類はfederal、stateのそれぞれに郵送
情報の整理にお役立て頂ければ幸いです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました!
最後に私が今回Taxre turnをするにあたり参考にしたwebsiteのリンクを貼っておきます。今回の記事のソースでもありますので、より詳しく知りたい方はご覧になってみてください。
また、当ブログでは留学生活の役立ち情報や旅行情報も発信しておりますので、もしご興味あれば読んでみてください!